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宇宙の歴史では一瞬の青春―末次由紀「ちはやふる」、吉田直紀「宇宙137億年解読」

【今日の言葉】

身体一つで 男女一緒に
戦えるのは 文化だからです
(末次由紀「ちはやふる」)

【読書日記】
こんばんは。ともです。
最近気に入った本から。

■末次由紀「ちはやふる」1~6巻

競技かるたに青春をかける熱血(スポ根?)マンガです。
競技かるたの世界はまったく知りませんでしたがすごいハマります。作中にヒロインが同級生から「ぷっ。なんでかるた?やんないよ、そんなのー」とバカにされる場面があるのですが、僕も「読まないよ、そんなのー」程度の認識でした。最近書評が多いなあと思っていたら、2009年のマンガ大賞を受賞しています。

感心するのは「スピードを絵にする」画力。
何度か読み返しているうちに「コマ割り」と「遠近感の描き方」が非常にうまいことに気づきました。少女漫画然としたキャラクターを表紙にしているところも読むのを躊躇わせていた理由の一つですが、読み出したら止まりません。ストーリー展開のテンポがよいのです。

友情あり、恋愛あり、ライバルあり、と「エースをねらえ」などから脈々と続く少女マンガ・スポ根ものの熱い伝統がなぜか競技かるたに息づいています。体育会系だったのね、競技かるたって。(登場人物のかなちゃんは文化部だと言い張るんだろうけど)

■吉田直紀「宇宙137億年解読 コンピュータで探る歴史と進化」

以前、国立近代科学館にいったとき銀河衝突のコンピュータ・シミュレーションの展示をやっていました(ガリレオ展だったかなあ)。特徴的な変な形をした銀河が、どのように形成されたのか、コンピューターで銀河の衝突を実験し実際の観測映像と見比べる、というものでしたが、非常にそっくりで驚きました。

この本は、まさにその宇宙論で使われているコンピュータ・シミュレーションを解説した内容ですが、シミュレーションをするということは、その基となる理論モデルを解説することと表裏一体で、宇宙論の平易な入門書にもなっています。

というよりこの本は題名を「ぶっちゃけ 宇宙論」に変えたほうがいいのではないでしょうか。面白いです。無茶苦茶笑ったのが、「コラム5 困ったときの...」の著者と生物学の先生との会話。引用します。

先生「さっきの講演で話してた暗黒エネルギーって、本当にあるんですか」
私  「いやぁ、よくわかってません。宇宙論学者はよく、何だか正体不明のものや、理解できない現象を説明するために『暗黒』という言葉を使うちょっと悪い癖があるんですよ」
先生「ハハァ、なるほど。そりゃ生物学では『進化』だね。進化」
(中略)
私  「最近の宇宙論の中では、暗黒エネルギーの進化というのも考えられてます」
先生「そりゃ最悪だね。だって暗黒と進化をかけるとわからないの二乗になっちゃうもの。もう何がいいたいのかわからないくらい。宇宙論の研究も大変みたいだね」
私  「はい、頑張ります」

では。

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